井上建具の哲学

コラム

井上建具の哲学

「当り前のことを当り前に」
先代であり、井上建具の創業者である井上勝(2016年5月逝去。享年78歳)は昭和12年10月19日に井上家の長男として生まれました。
中学の先生には高校進学(成績は優秀だったようです)を勧められましたが、家が貧乏だったこともあり働かざる負えませんでした。
中学卒業後、隣村である豊丘村の松澤建具に弟子入り、修行を積み重ね24歳(1961年)で独立。
井上建具を創業しました。

独立して3年目。後ろのバイクの荷台に建具を載せて、紐で自分自身に縛り付け運転して運んでいた。

先代は「キチンとしたものをつくり続ける」という建具屋として、ものづくりの職人として当り前のことを信条としていました。その為には質の良い材料を使い、技を磨き、道具を大切にし、と職人として当り前のことを日々やり続けることです。
その結果「井上建具のつくる建具は間違いない!!」「井上建具のつくる建具は生きている!魂がこもってる!」
とまでいわれるまでになったようです。
その魂とまでいわれた想いの先にはストレス社会の中、自分の家にいるときだけでも施主様の心が癒え、一日の疲れを忘れられるような部屋づくりに、建具を通して貢献したいという願いがありました。
その想いは商品開発にもつながりました。とても研究熱心で他の建具屋さんが納めた家に知人を通じて見に行っていたようです。そして良いところは取入れ、現状に満足せず、より施主様のためになる建具をつくろうと日々努力を積み重ね提案していきました。

昭和61年完成。現在の井上建具社屋前にて

井上建具の先代である井上勝が目指したものづくりは当り前のことを当り前に日々やり続けること。
そして当り前に誰からも認めてもらえ、請元のみなさん、そして施主様に信頼して頂けるものをつくり続けること。
その先には必ず施主様の幸せがあります。
それこそが建具職人であり、ものづくりに携わるもののあるべき姿だという信念があったのです。
その信念は井上建具の従業員ひとりひとりに当り前のように心に刻まれ、今現在も日々のものづくり、商品開発に活かされています。

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